第7章

免疫原性

治療用タンパク質(生物学的製剤およびバイオシミラー)は、ヒトの免疫系に抗原として認識され、免疫反応を引き起こす可能性があり、このプロセスは免疫原性として知られています。タンパク質医薬品の免疫原性は、安全性の問題を引き起こし、医薬品の有効性や力価に影響を与える可能性があります。免疫原性とは、治療用生物製剤に含まれる抗原モチーフが、それ自体や関連するタンパク質に対する免疫反応を刺激したり、免疫学的に関連する非臨床効果や有害事象を誘発したりする傾向と定義されます。

バイオ医薬品に対する免疫原性反応は、必ずしも望ましくないものではありません。しかしながら、免疫原性は、場合によっては有効性の欠如やその他の望ましくない効果につながる可能性があります。本章では、免疫原性とは、生物薬品に対する有害な免疫反応を指すこととします。

この章では、免疫反応、治療用タンパク質の免疫原性に影響を与える要素、またこれらに関する臨床診療ガイダンスについて説明します。

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