要旨

提案されたトラスツズマブのバイオシミラーは、ERBB2陽性転移性乳がん患者において、参照薬品と同等の全奏功率を発揮する

論文題名: Effect of a Proposed Trastuzumab Biosimilar Compared With Trastuzumab on Overall Response Rate in Patients With ERBB2 (HER2)-Positive Metastatic Breast Cancer: A Randomized Clinical Trial

引用文献: Rugo HS et al. JAMA 2017;317:37–47

出版日: 2017年1月

抗ERBB2ヒト化モノクローナル抗体トラスツズマブ(Herceptin®)は、ERBB2陽性乳がん患者の無増悪生存期間および全生存期間を改善することがよく知られている。しかし、トラスツズマブは世界中に広く普及しているわけではなく、バイオシミラーという治療オプションは、世界的にアクセスを増加させる可能性がある。この有効性・安全性確認試験は、トラスツズマブのバイオシミラーとして提案されたMylan®の生物学的同等性評価の最終段階として実施された。

バイオシミラーの開発は、モノクローナル抗体を含む承認済み生物学的製剤の高品質な代替品へのアクセスを提供するために、世界中の医薬品開発企業や保健当局にとって優先度が高い。トラスツズマブ (Herceptin®)は、化学療法との併用により、転移性および早期HER2陽性乳がんにおいて、化学療法単独と比較して生存期間を有意に改善するモノクローナル抗体である。提案されたバイオシミラーMylan®の有効性、安全性および免疫原性を参照トラスツズマブと比較するため、HER2陽性の転移性乳がん患者を対象に、それぞれタキサン系薬剤と併用し、ヘリテージ試験が実施された。

研究結果

24週間投与後、全奏功率は、バイオシミラーで69.9%、トラスツズマブで64%であった。この結果は、トラスツズマブとバイオシミラーの有効性について事前定義された同等性の限界の範囲内だった。セカンダリーエンドポイント(腫瘍の進行までの期間、無増悪生存期間、48週時点の全生存期間)のいずれにおいても、両投与群間に統計学的有意差は認められなかった。提案されたバイオシミラーとトラスツズマブの集団薬物動態パラメータは同等であり、両者の安全性プロファイルは類似していた。24週目の左心室駆出率に変化はなく、両薬剤とも低い免疫原性が確認された。

この安全性・有効性確認試験では、タキサン系薬剤投与を受けるHER2陽性の転移性乳がん患者において、バイオシミラーMylan®を24週間投与した結果、トラスツズマブと同等の客観的奏効率が得られることが確認された。この臨床的に有効なバイオシミラーにより、トラスツズマブ治療へのアクセスが拡大されることが期待される。

重要なポイント

トラスツズマブのバイオシミラーであるMylan®は、参照製品と同様の有効性、薬物動態パラメータ、安全性プロファイルを有する。これにより、HER2陽性の転移性乳がん患者のトラスツズマブ治療へのアクセスが増加することが期待される。

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