要旨

リツキシマブ・バイオシミラーの治療上の同等性により、年間1億5千万ユーロの経費を削減し、B細胞リンパ腫患者1万2千人に新たなアクセス機会を提供することを立証する試験

論文題名: Efficacy, pharmacokinetics, and safety of the biosimilar CT-P10 in comparison with rituximab in patients with previously untreated low-tumour-burden follicular lymphoma: a randomised, double-blind, parallel-group, phase 3 trial

引用文献: Ogura M et al. Lancet Haematol. 2018;5;e543-e553

出版日: 2018年11月

リツキシマブのバイオシミラーが広く普及すれば、医療費と社会レベルの両方で大きなプラス効果が期待できる。

リツキシマブは、正常および悪性B細胞の表面にあるCD20タンパク質に結合し、免疫介在性破壊を誘導するモノクローナル抗体である。この生物学的製剤は、濾胞性リンパ腫を含むB細胞リンパ腫の治療に使用される。すべての抗がん剤と同様に、リツキシマブには、高額な治療費が伴う。一方、バイオシミラーは、一般的にオリジネーター製品に比べて20〜30%程度割安に販売されており、その購入しやすさは、より多くの患者がこれらの治療を受けられることを意味する。CT-P10(Truxima®)は、初めて承認されたリツキシマブのバイオシミラーで、同一の構造・物理化学的特性と生物学的活性を有し、同一の適応症で承認されている。本試験は、新たにCD20陽性の濾胞性リンパ腫と診断された患者を対象に、CT-P10とリツキシマブの治療上の同等性を確立することを目的とした第III相試験である。

研究結果

7ヶ月の観察期間において、CT-P10投与群では83%、リツキシマブ投与群では81%の患者に全奏効が認められ、両群の治療上の同等性が示唆された。治療上発生する有害事象の発生頻度は、CT-P10とリツキシマブで同程度であり、その多くは投与に関連する反応であった。新たな、想定外の安全性の所見はなかった。

バイオシミラーCT-P10は濾胞性リンパ腫患者において、リツキシマブと治療上の同等性を発揮する。ある予算効果分析では、リツキシマブのバイオシミラー導入により、EUの医療制度は、年間最大で1億5000万ユーロ節約できるとされており、 CT-P10の導入により、この革命的治療への患者のアクセスが大きく改善されると期待されている。

重要なポイント

リツキシマブのバイオシミラーであるCT-P10は、参照製品との生物学的類似性を示し、有害事象のレベルについても同程度であることが実証された。リツキシマブ・バイオシミラーの比較的低い薬価は、医療制度にとって大きな節約となり、患者の治療へのアクセスを改善する可能性がある。

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